不動産担保ローンで事業資金は借りられるか

不動産担保ローンを事業資金として利用する場合、事前になにか必要なことはあるのでしょうか。銀行やノンバンクから融資を受ける場合、融資の目的が予め決められています。例えば住宅ローンを組む場合、基本的に自宅の購入資金として利用することになっていますので、他の用途として活用することはできません。不動産担保ローンを利用する場合も同様で、フリーで利用できるものはまずないと言えるでしょう。では事業資金として不動産担保ローンを活用する場合、個人として利用することはできるのでしょうか。

個人として不動産担保ローンを利用する場合、基本的に事業資金として認められることはないといえます。不動産担保ローンを事業資金として利用する場合には、個人であっても法人もしくは個人事業主として登録している必要があります。もし個人事業主として登録されていないのであれば、事業用資金として利用することはできません。個人で利用する場合には、ここに注意して不動産担保ローンを利用するようにしてください。

個人では利用できないものの、法人格であれば利用できるということを話しました。事業用資金は企業が企業活動に使用するものという性格上、このことは当然だと言えるでしょう。そのためすでに法人として機能しているのであれば、問題なく不動産担保ローンを事業用資金として利用することができます。これは銀行であれノンバンクであれ基準は同じです。使途を予め定めた上で融資が行われることを覚えておきたいと思います。

ところで不動産担保ローンで事業資金の融資を受ける場合、まず思いつくのが銀行での融資です。銀行以外にも日本政策金融公庫などの公的融資を受けることもできます。いずれも低金利が魅力ですが、審査が非常に厳しいという一面もあります。例えば銀行融資の場合、現在の借入状況や、事業計画などをもとに、返済能力の有無を判断します。すでに借り入れがあり、返済途中の場合、審査に通らない可能性があります。審査に通らず諦めてしまう事業者も多いです。それが不動産を担保にすることで事業資金の融資が得られるのですから、利用しない手はないと言えるでしょう。

事業資金として利用する場合、個人消費として利用することは認められていません。使途以外の目的で融資金を活用した場合、融資が取りやめになるだけでなく、今後の融資を一切受けられなくなる可能性もあります。こうならないためには、個人での消費としては利用しないことを決めておく必要があります。このような状況は個人で事業を行っている場合や、家族企業などで起こりえます。個人と法人とをしっかり分けて資金を活用することが大切です。

ところで事業資金として活用することができることはわかりましたが、不動産担保ローンのメリットを生かして繰り上げ返済することは可能なのでしょうか。繰り上げ返済となると使途が事業用ではないので無理だと考えてしまうかもしれません。実際には事業用融資金の繰り上げ返済であれば、不動産担保ローンを利用することは可能です。例えば金利が高い時代に借り入れをしてしまい、毎月の支払いが経営を圧迫することもあります。この場合、金利の低い不動産担保ローンに切り替えることで、毎月の負担を軽減できるようになります。

かつて事業を営んでいたものの、一度事業に失敗し、新たに事業を始めたいと考えている人もいると思います。仮にその時の債務が残っていて今まさに債務整理中という場合、銀行からの融資はまず期待できないわけですが、融資が受けられる可能性はあるのでしょうか。この場合、ノンバンクの不動産担保ローンを活用することができます。これはケースバイケースですが、融資が受けられたという事業主もいますのでまずは相談してみると良いでしょう。

北海道で利用できる不動産担保ローンは?

北海道は人口密度が低く、広大な土地があるエリアです。また、観光地としての開発も進んでいますので、これからさらに不動産開発がなされていき、価値が上昇することが見込まれています。

こうしたことから、不動産投資のための資金を不動産担保ローンで調達して、資金を有効活用することに注目が集まっています。北海道でも借りられる不動産担保ローンがいくつもありますので、自分に合ったプランを見つけて利用したいものです。

たとえば、北海道での営業をメインとしている北海道銀行では、「道銀アパートローン」という名称で不動産担保ローンを実施しています。このローンを利用する条件としては、まず満20歳以上71歳未満という年齢制限があります。融資の用途としては、新たに不動産を購入するためとなっていますが、アパートの新築だけでなく増改築や修理などにも利用できます。

また、不動産購入に利用している他行のローンをまとめて借り換えることも可能となっています。さらに、土地の購入資金にも充てることができますが、土地だけの購入には対応していないということを覚えておきましょう。建物を建てることが前提条件で土地を取得することが必要となるのです。

融資金額は350万円以上で、最高3億円となっています。返済期間は最大で35年となっていて、かなりゆとりを持って返済プランを立てられるのが魅力です。

ただし、アパートの構造によって最長返済期間が決まりますので注意が必要です。たとえば、鉄骨鉄筋コンクリート造りの場合は最大35年ですが、木造の場合は25年となっています。どんなアパートを建てるかということと、返済期間の関係を知り、上手に資金計画を立てていくことが肝心です。

この道銀アパートローンの利率は公表されておらず、ケースバイケースで決まっていくことになります。ある程度建築計画が進んだら、その内容を持って同行の窓口で相談してみると良いでしょう。

返済方式は元利均等返済方式と元金均等分割返済方式の2種類があって、これも相談の上決めることになります。団体信用生命保険に加入することができますので、万が一のケースが生じても安心できます。

北海道銀行の他には、札幌市に本拠を置く北央信用組合でも、不動産を担保として利用できるローンを提供しています。ただこの場合は、通常の融資とは異なりカードローンとなっています。その名称は「プレミア」というもので、継続的に融資を受けられるのが特徴です。金利は変動金利方式を採用していて、3パーセント台とお得な融資を期待できるのがうれしいところです。

不動産に第一抵当権を打てるのが条件となっていますが、低利率で100万円から500万円までのカードローン利用ができるので、使いやすい商品となっています。法人のみを対象としていて、一般個人向けの商品ではありません。

このように、地元の銀行でも、用途は限定されていますが不動産担保ローンを利用できますので、不動産投資などのために活用することができます。また、全国展開している銀行系やノンバンク系の不動産担保ローンも活用できますので、そちらも検討してみることができます。

たとえば、住信SBIネット銀行では、北海道にある不動産を担保として融資を行っています。300万円から最大1億円の融資が可能となっていますので、大きな投資をしたい時などは心強い味方となります。

北海道エリアに対応していますが、すべての地域の不動産を扱えるわけではなく、札幌や千歳、函館などの地域限定がありますので、事前にチェックしておきましょう。もし対象エリアとなっているのであれば、利率2.95パーセントから8.9パーセントと、お得に融資を受けられるチャンスですので検討する価値が十分にあります。

不動産担保ローンが借りやすいと評判の会社の特徴は?

不動産担保ローンは、他のローン商品と比べて高額な融資を期待できるということと、金利が低いというメリットを持っています。そのため、もし担保にできる不動産があるのであれば、不動産担保ローンを利用する価値が十分にあります。といっても、やはり金融商品ですので、金融機関側で審査がありそれにパスしないと融資を受けることはできません。

この審査基準はそれぞれの会社で異なっていて、厳しめの基準を設けているところもあれば、比較的緩くて借りやすいという評判のところもあります。やはり融資を受けたいのであれば、審査に通りやすいところを選びたいという人も多いでしょう。まずは、どんな審査基準が設けられているのかを確認して、その実情を探ることが肝心です。

不動産担保ローンの審査では、主に二つの観点からチェックがなされます。一つ目は本人の信用状況です。これは、申込者の収入が安定してある程度高い状態か、という点が関係しています。そのために、不動産担保ローンでは申し込み時に、納税証明書や確定申告書などの収入証明書を提出するケースが多くなっています。

さらに、信用情報機関に問い合わせをして、過去の金融取引状況がチェックされます。カードの返済を遅らせていないか、現在多額の借金を持っていないか、過去に自己破産や債務整理などを行っていないかという点がチェック項目となります。

もう一つのポイントは不動産の評価です。資産としてどれだけの価値があるのかを、現状で評価することになり、不動産を売却するとなるとどのくらいの価格になるのかが見られます。

さらに、その不動産に関する権利もチェックされます。所有者が誰かという基本的なことに加えて、抵当権がすでに打たれていないかなどの確認です。もし抵当権がすでにあるようであれば、融資額が引き下げられるなどの対応となることが多くなっています。

金融機関では、こうした二つの点を審査基準として調べているのですが、審査が緩いと評判の会社は、特に不動産価値に注目するという特徴を持っています。本人の収入はあまり重視せず、安定した収入があれば良しとしているという点です。そして、多少の借金があるとしても、担保の不動産に抵当権がいくつも打たれていないのであれば大丈夫という観点で見ていることが多いのです。

この背景には、万が一返済が滞っても担保の不動産で清算すれば良いという考え方があるのです。そのため、審査が緩めと評判の会社では、収入が低くても大丈夫ということを前面に出していることが多いのです。

さらに、不動産担保ローンを専門としている会社ほど、審査に通りやすいという評判が高い傾向があります。やはり、不動産の評価を第一基準に考えていることが多いからです。

加えて、一戸建てやアパートなどの不動産だけでなく、持分や底地などの権利だけでも担保として利用できる術を知っているという事情もあります。より不動産の活用方法を知っているため、担保を取りやすいのです。

こうした特徴の他に、全体的な傾向としては、審査がちょっと緩い会社は、金利が高めであることが多いものです。こうすることで、債務者から返済がうまくなされなくても、金利でカバーするという方法が採れるからです。また、返済期間が長めという特徴が見られます。多少返済能力が低く見えても、月々の支払いが少なければ大きな負担とならないからです。

さらに、長期の返済によってより利息を取れるという見込みもあります。このように、貸付条件をチェックして、金利が多少高め、返済期間が長くなる傾向にある会社は、他のところよりも審査に通りやすいことが多いということを覚えておくと良いでしょう。

不動産担保ローンで最短即日融資を受けるために

不動産担保ローンに限らず、多くの人が気になるのはどのくらいの期間で融資をしてもらえるのかということでしょう。基本的に融資を依頼するということは、すぐにお金が必要ということを意味しています。ですから申し込みから実際にお金が振込まれるまでの時間は非常に重要と言えるのです。では最短どのくらいの期間で融資してもらえるものなのでしょうか。
基本的に不動産担保ローンには時間がかかります。というのは、不動産担保ローンは不動産の価値を鑑定することがとても重要だからです。融資する側は、担保となる不動産の価値に見合った融資をする必要があります。例えば1億円の価値がある不動産を担保に5億円の融資はできないのです。そのため担保となる不動産がいくらの価値があるのかを見極めることが必要になります。
不動産の価値はすぐにわかるというものではありません。現地調査を行い、不動産の登記簿謄本を確認し、路線価などから周辺地域の不動産の取引価格相場について調べます。そして不動産鑑定の資格を持っている人に鑑定を依頼して担保となる不動産の価値を判定することになるでしょう。つまり一つの不動産の価値を知るためにいくつもの工程があるということになります。
こうした不動産の価値を判定することに加え、金融機関側が資金を用意できるかという問題もあります。カードローンなどの場合、融資金額は最高でも数百万円から1千万円程度です。しかし不動産担保ローンの場合には数億円単位の金額になることもあり、金融機関もお金を即日用意できないこともあります。そのため不動産担保ローンは時間がかかるのです。
ところが金融機関によっては不動産担保ローンであっても最短で即日融資ができると謳っているところもあります。これは原則として最短即日融資なので、必ず即日数億円単位のお金が振込まれるということではありません。その点は間違えないようにしましょう。
それでも最短即日融資を実際に実施している金融機関はあります。しかし無条件で最短即日融資ができるというわけではありません。では最短で即日お金を振り込んでもらえるようにするために、何かできることはあるのでしょうか。
まずできるのは、不動産担保ローンを1日のうちの早い時間に申し込むということです。不動産担保ローンに限らずローンの審査は申し込まれた順に行われます。つまり早く申し込めばそれだけ早く審査が早く開始されるということです。可能であれば午前中の営業開始直後に申し込むようにしましょう。
最短即日融資を受けるための別のポイントは必要書類を不足なく持って行くことです。不動産担保ローンにはいくつもの必要書類があります。カードローンのように本人確認書類と収入証明書があればよいというわけではないのです。この二つはもちろんのこと、土地の公図、不動産登記簿謄本、地積測量図、建物平面図、固定資産評価証明書など非常に多くの書類が必要になります。事前に必要書類を確認して持って行きましょう。
さらに不動産担保ローンを専門に扱っている業者に依頼するというのも良い方法です。銀行などは不動産担保ローン以外のローンもマルチに扱っています。一方で不動産担保ローンを専門に扱っている業者であれば、審査などにもなれており、よりスムーズに手続きが進む可能性が高いのです。不動産についての知識も豊富なので、より速く正確な審査が行われることでしょう。
こうしたポイントを押さえておけば、最短即日融資を不動産担保ローンで受けられる可能性は高まります。まとまったお金が必要になった場合などは、こうした方法で不動産担保ローンを賢く活用するようにしましょう。